読書日和

読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。



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「プリズム」 野中柊

2008-04-18-Fri
プリズムプリズム
(2007/06)
野中 柊

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大切なものほど、こわれやすいのだろうか。たとえば、優しい夫のいる
温かい家庭。でも、私の心はもうそこにはない。
始まりは理由もなく、きっかけがあっただけ。私は通う。あの人の部屋へ。
恋しい人は夫の親友だった…。〜amazonより〜

主人公は33歳の波子。夫の幸正は病院勤務の外科医で、波子自身は
週に3日薬剤師としてパートしています。
何不自由のない生活にみえるのに、どこか寂しそうな波子。

波子の両親は離婚をしていて、それぞれが再婚。
父親が再婚した相手とのあいだには梨香という妹が、母親が再婚した相手
とのあいだには圭吾という弟がいます。
そんな複雑な環境の中、波子はどちらの家庭とも一定の距離を置いて
付き合っていて、家族というものへの考えがふわふわしているところが
寂しげに映ったのかもしれません。

そんな波子が恋する相手は夫の親友・高槻。
もともと好印象を持っていた高槻に、ある夜突然キスをされたことから
波子の高槻に対する想いは一気に溢れ出していきます。
波子と高槻の逢瀬からは、恋をすることでいろいろなもので縛られてしまう
のと同時に、自由にもなれるのだなと思いました。

ひと言で言ってしまえば不倫小説。なのに、とても美しくて儚い。
激しい炎のような恋ではなく、小さいけどいつまでも消えない恋。
それを表現している野中さんの文章の力をとても感じました。

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プリズム 野中柊

装画はヒラタシノ。装幀は新潮社装幀室。初出小説新潮2006年12月号〜2007年4月号。 主人公で語り手の私:波子は三十三歳で薬局...
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