読書日和

読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。




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「天使の梯子」 村山由佳

2008-03-30-Sun
天使の梯子 Angel's Ladder天使の梯子 Angel's Ladder
(2004/10)
村山 由佳

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『天使の卵』、待望の続編!
愛を失った歩太と夏姫は、再び愛を取り戻すことができるのか。
そして中学の担任教師だった夏姫にどうしようもなく惹かれていく慎一。
傷ついた3人が織りなす切ない愛のドラマ。〜amazonより〜

前作「天使の卵」で背負った心の傷を抱えながら10年が経ち、
28歳になった歩太と夏姫の姿が大学生・慎一の目を通して描かれます。

アルバイト先で中学の担任教師だった夏姫と再会した慎一は
やがて恋人同士となります。しかし、"歩太"という男の存在を知り、
激しい嫉妬に駆られていく・・・というストーリー。

この作品でポイントになってくるのが、10年前に姉の春妃が自分の恋人
である歩太と隠れて付き合っていたことを知ったときに、
夏姫が春妃にあびせた言葉。
その言葉に苦しみ続けてきた夏姫がこの作品の中で言う、
「誰に何を言われても消えない後悔なら、自分で一生抱えて
いくしかないのよ」 という言葉がとても重かったです。

他にも、夏姫の言葉ひとつひとつが、どういう意味でこの言葉を言って
いるんだろうとは思わずに、こういう意味なんだろうなぁとわかってしまう
感じが、続編のおもしろさなんだろうなと思いました。
前作に引き続き、ラストがとてもよかったです。

夏姫視点の「ヘヴンリー・ブルー」という作品もぜひ読んでみたいです

「天使の卵」 村山由佳

2008-03-30-Sun
天使の卵―エンジェルス・エッグ (集英社文庫)天使の卵―エンジェルス・エッグ (集英社文庫)
(1996/06)
村山 由佳

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19歳の画家志望の予備校生、歩太と8歳年上の精神科医、春妃。
二人は春もまだ浅いラッシュアワーの電車の中で、その"恋"に出会った。
止まらない、もう誰にも止められない、この激しく貫く純愛。〜amazonより〜

主人公・一本槍歩太(名字も名前もめずらしい)は、ある日満員電車の中で
急接近した女性のことが忘れられなくなってしまいます。
そして後日、彼女・春妃と再会したのは歩太の父親が入院している
精神病院でした。
彼女はそこに勤める精神科医であり、しかも、歩太が現在交際中の
同級生・夏姫の姉でもあり・・・というストーリー。

ストーリーだけ書いてみるとなんだかとてもどろどろしていそうなのに、
むしろ爽やかというか、ひんやりとした感じがする小説でした。
歩太が春妃に想いを寄せていく過程が丁寧に描かれていたこと、
春妃がとても静かに自分の運命を受け入れていることが
そういうふうに感じた理由なのでしょう。

ラストは急展開で悲しい出来事も起こりますが、恋愛の切なさを
ひしひしと感じることのできる作品。
村山由佳さんの原点ともいうべき作品なんだと思います。
恋愛小説を読んだー!という気分になれること間違いなしです。

「島の夜」 木村紅美

2008-03-21-Fri
島の夜島の夜
(2007/09)
木村 紅美

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父を探して、私は一人、島に来た。
少女が出会ったのは、オカマと四十前の処女。そして見つけた父親は…。
いろんな魂が、濃密に絡み合う奇跡のような四日間。〜amazonより〜

18歳の春、初めての1人旅で竹富島へやって来た女子大生の波子。
なぜなら、そこで幼い頃に母親と離婚して家を出て行った父親が民宿を
経営していることを知ったから。
いつも父親をののしっている母親には内緒で再会した父親は、昔と変わらず
モテているようで民宿のヘルパーである雪ちゃんという彼女がいました。

そんな民宿で波子が出会ったのは、それぞれ一人旅をするホモセクシュアル
の28歳・トシミさんと、男性経験のない38歳・小百合さん。
トシミさんは旅先で死んだと思われている別れた彼氏の足跡をたどり、
小百合さんは東京で15年間OLをしていたが、親の介護のためこの旅が
終わったら秋田に帰らなければならないという事情を抱えていました。

沖縄の風景や風俗、マブイといわれる霊魂の存在、夜の海の景色なども
丁寧に描きつつ、波子の成長が感じられる内容でした。
トシミさんや小百合さん、そして父親と一緒の時間を過ごすうちに、波子の
中にあった価値観が少しずつ変わっていきます。

旅が終わるとそれぞれの現実が待っていますが、この旅であることに
気が付いた波子と母親の関係はこれから少しずつ変わっていくでしょうし、
みんな時々この旅のことを思い出したりしながら前向きに
進んでいくのだろうなぁと思わずにはいられませんでした。

「イナカノコ」 おおたうに

2008-03-18-Tue
イナカノコイナカノコ
(2007/02)
おおた うに

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短大生・佐和の住む田舎町に、いとこの海里が帰ってきた。美しくも獰猛な
性格の彼女の帰郷に胸をざわめかせるのは、佐和だけではなかった。
母や兄、そして佐和の彼氏・草。人々の気持ちがすれ違うほど、
想いは切なく募り…。 〜amazonより〜

うにっきシリーズで知られるイラストレーター・おおたうにさんの初めての小説。
おおたうにさんの可愛らしいイラストは知っていたので、小説もオシャレで
乙女チックな感じなのかなぁと思っていたら、舞台はイナカで、
内容もなかなかどっしりとしたものでした。

海と山に近い田舎町に住む短大生・佐和。イナカで過ごすぬるい日常。
それを突き破るように、従姉の海里が休暇で帰ってくる知らせが入ります。
彼女は、美しい面立ちと獰猛な性格を持つ問題児。
相変わらず美しく、鋭い言葉を放つ彼女に、イナカの人々は様々な反応。
そして海里が東京に帰った後、佐和の恋人・草に変化が・・・。

詩のような手紙のような始まりで初めは読みづらいかもと思いましたが、
短めの文章と、繊細で切ない心理描写がいつのまにか心地良く
なっていきました。

イナカならではのしがらみや孤独。イナカを選ぶこと。イナカを出て行くこと。
そういうさまざまな想いや選択が響き合って物語は進んでいきます。
特に、イナカで穏やかだけど自己主張のない生き方をする佐和には共感
する部分が多かったですし、どんな生き方であっても喜び・哀しみ・孤独
というのはついてくるのだろうなと思いました。

『キサラギ』

2008-03-17-Mon
キサラギ スタンダード・エディションキサラギ スタンダード・エディション
(2008/01/09)
小栗旬、香川照之、
ユースケ・サンタマリア 他

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グラビアアイドル如月ミキが自殺して、1年がたった。
その一周忌に彼女の思い出を語り合おうとファン5人が集まる。
そんな中、あるひとりが「彼女は殺されたんだ」と言う。
他殺説を繰り広げるうちに、ハンドルネームしか知らなかった彼らの素性が
浮き彫りに。そしてお互いを犯人だと疑い始め…。〜amazonより〜

売れないアイドル・如月ミキの一周忌に集まった、
家元、オダ・ユージ、スネーク、安男、いちご娘の5人の男。
愛するミキちゃんの思い出話に花を咲かせ盛り上がるはずが、
「彼女は自殺じゃない、殺されたんだ」という一言から事態は急変して・・・。

カテゴリーをミステリーにするかコメディにするかでとても迷ったのですが、
観ているあいだじゅうクスクス笑ってしまったので、コメディに☆
事件の真相を暴くというよりも、そこへ向かうまでの過程(会話)が
この映画の最大の魅力だと思ったのです。

5人の会話を通して次々と意外な事実が明かされていき、ひとりのアイドル
の死が二転三転していきます。
その中で登場したちょっとしたコトやモノがその後の展開で重要になったりして、
「あ、これってあのときの・・・」とか「もしかしてこの人って・・・」という瞬間の
連続でした。先が読めるようで読めない展開にぐいぐい引き込まれます。

とにかく脚本が素晴らしい映画でしたが、役者さんも良いんです。
小栗旬さんは二枚目も三枚目もできる役者さんだと改めて思いましたし、
いちご娘役の香川照之さんがいい味出してました

「素晴らしい一日」 平安寿子

2008-03-01-Sat
素晴らしい一日 (文春文庫)素晴らしい一日 (文春文庫)
(2005/02)
平 安寿子

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恋人に逃げられ、勤務先は倒産。
ドツボにはまった三十歳の幸恵は、昔付き合った男に貸した金を取り立てる
ところから人生を立て直そうと考えたが…。(「素晴らしい一日」)。
卓抜なユーモア感覚が絶賛されたオール読物新人賞受賞作を含め、
憂きことばかりの人の世を、もがきながら生きる人間像を軽やかに讃える
傑作六編。〜amazonより〜

表題作「素晴らしい一日」では、昔付き合った男性のところへ借金を取り立てに
行く30歳女性・幸恵の一日が描かれています。
ところがその元彼・友朗は、返せるほどお金がないからお金を都合してくれそう
なところを一緒に回ろう、と幸恵を引き連れていろいろな人のもとを訪れます。

もともと貸していたお金なのだから返してもらうのは当然なわけですが、
目の前で借金を頼む友朗とそれぞれの対応をみせる女性たちを見て、幸恵の
心には様々な感情が芽生えます。

なにがなんでも借金を返してもらって人生を立て直すんだ!と気合十分だった
幸恵の気がだんだん緩んで、それどころか癒されてしまっている様子が
良かったですし、友朗の駄目男っぷりもなんだかほほえましいなぁと
私もすっかり思わされてしまいました。

他には、家出して3年も音信不通の女性と間違われ、その女性の代わりに
危篤の状態の父親に会いに行って欲しいと頼まれた瑠美の一日を描いた
「アドリブ・ナイト」も好きでした。
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