読書日和

読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。



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『幸福な食卓』

2007-08-17-Fri
幸福な食卓 プレミアム・エディション 幸福な食卓
北乃きい.勝地涼.平岡祐太.さくら.羽場裕一.石田ゆり子 (2007/06/22)
ジェネオン エンタテインメント

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成績のよかった兄の直ちゃん(平岡祐太)は農業の道へ進み、
母(石田ゆり子)は家を出て、そして父(羽場裕一)は「お父さんを辞める」と宣言。
皆が皆、朝の食卓でそれを告げる。それが中原家のマナーであった。
そして今、中学3年生の娘・佐和子(北乃きい)は、転校生の大浦勉学(勝地涼)に
心惹かれてゆく…。〜amazonより〜

原作者の瀬尾まいこさんのファンで、主題歌のミスチルのファンで、母親役の
石田ゆり子さんのファンなのでぜひ映画館で観たかったのですが、
タイミングが合わずにDVDで鑑賞しました。原作のイメージ通りの素晴らしい
キャスティングだと思いました。北乃きいさんの演技を初めて見たのですが、
ピュアなんだけど少し影があるところが主人公の佐和子にぴったり。。

父さんは父さんをやめて、 天才と言われたお兄ちゃんは進学せずに農業を始め、
母さんは家を出て、佐和子は梅雨になると具合が悪くなる。
もう家族といえるのかわからないような中原家ですが、
不器用ながらも深いところでは支え合っているのが伝わります。

そして、佐和子の前に現れた大浦君がとってもいい子。
どのクラスにもひとりはいる明るくて憎めないキャラクター。
そんな大浦君に出会って、いつも語尾に「・・・けど」がついてはっきりとした自分の
意見を言わなかった佐和子がどんどん成長していくのがとても微笑ましいです。

ラストも良かったです。あれだけゆっくりとしたラストは、観ている人それぞれが
「佐和子はこういう気持ちなんだろうな」「家族ってなんだろう」と感想を考える
時間になるはずです。ただ、原作を読んだときのイメージが頭から離れず、
少しでもそれと違うと「!?」と思ってしまうんです。
お父さんはもっと芯がしっかりとしている印象だったし、大浦君の弟はもっと
小さい子だと思い込んでいました・・・。
原作を読まないで観たらまた違う感想になるんだろうなぁと思いました。

「西の魔女が死んだ」 梨木果歩

2007-08-16-Thu
西の魔女が死んだ (新潮文庫)西の魔女が死んだ (新潮文庫)
(2001/07)
梨木 香歩

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中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、
季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。
西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の
手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、と
いうことだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。〜amazonより〜

時期的は春の話でしたが、主人公・まいがおばあちゃんの家でひと月ほど過ごし
貴重な体験をするという内容が夏休みに読むのにぴったりの小説でした。

印象的なタイトルにある「西の魔女」とは、まいのおばあちゃんのこと。
おばあちゃんが実は魔女の血を引く家系の人であり、まいがおばあちゃんから
魔女になるためのレッスンを受けることになる、という展開がおもしろかったです。

とは言っても、ほうきに乗る方法なんかを教わるわけではありません。
おばあちゃん曰く、魔女になるためにいちばん大切なのことは、
自分で決める力・自分で決めたことをやり遂げる力であり、そのためには
早寝早起き・規則正しい生活が大切なのだそうです。
規則正しい生活を送ってしっかりとした心と体が出来れば、自分の心の声が
聞こえてきて、自分で考えて決めることができる。
これはまいだけではなく全ての人にいえることだ!と思いました。

おばあちゃんの生活がとても魅力的でした。私は特に、ラベンダーの香りがする
シーツで寝てみたい!と思いました

「海からの贈物」 アン・モロウ・リンドバーグ

2007-08-15-Wed
海からの贈物 (新潮文庫)海からの贈物 (新潮文庫)
(1967/07)
アン・モロウ・リンドバーグ吉田 健一

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女はどうすれば満たされるのだろうか。
居心地よさそうに掌に納まり、美しく螺旋を描く、小さなつめた貝が答えを
教えてくれる--。有名飛行家の妻として、そして自らも女性飛行家の草分けとして
活躍した著者が、離島に滞在し、女の幸せについて考える。〜ブックカバーより〜

『女性にお薦めの本』ということで前から知っていたのですが、ようやく読むことが
できました。海外の作家さんの本を訳すとどうしてもカタクなってしまう
部分があって、この本もそういうところはあったのですが、それでもこの本から
たくさんの大切なことを教わりました。

人生で起こる全てのできごとは「断続的」で「満ち引きする波」のようなものであり、
そのどの段階も意味がある...といった感じの文章があり、これが著者がいちばん
言いたかったことなんだと思います。

それをきちんと感じるためには、シンプルに生きることが大切なんですね。
自分に本当に必要なものを選んで暮らすことは、自分自身がどういう
人間であるかを知ることでもあります。そしてそれは、自分がこれからどのように
生きていきたいか、につながっていきます。日々の小さな選択が未来への第一歩
だということを忘れないようにしたいと思いました。

「白い犬とワルツを」 テリー・ケイ

2007-08-14-Tue
白い犬とワルツを (新潮文庫)白い犬とワルツを (新潮文庫)
(1998/02)
テリー ケイ

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長年連れ添った妻に先立たれ、自らも病に侵された老人サムは、
暖かい子供たちの思いやりに感謝しながらも一人で余生を生き抜こうとする。
妻の死後、どこからともなく現れた白い犬と寄り添うようにして。
犬は、サム以外の人間の前にはなかなか姿を見せず、声も立てない―
真実の愛の姿を美しく爽やかに描いて、痛いほどの感動を与える大人の童話。
〜amazonより〜

ひとり残された父親の老いを過剰に心配しやきもきする子どもたちと、
ひとりで静かに余生を過ごそうとするサムとの間にある"ずれ"が
面白くもあり切なくもあります。

子ども達の愛情に感謝しながらも自由に行動するサムの態度は、自信に溢れて
いるのに穏やかで、それは古きよきアメリカの父親像なんだと思います。
そういうサムの生き方から、老いることについて、そして家族の絆について
考えさせられます。また、 サムの妻に対する深い愛情も素晴らしいもので、
白い犬とのふれあいを通して時折でてくる妻との思い出がとても美しく、
夫婦愛についても考えさせられます。

物語が後半に進むと、サムにしか見えなかった白い犬が、次第にまわりの
人々に姿を現すようになります。このあたりから、白い犬の正体が現実なのか
幻想なのかよりも、「あなたにはこの白い犬が見えますか。見えるような生涯を
送ってきましたか」という問いかけを感じます。自分には白い犬は見えるの
だろうか・・・?と、深く考えてしまいました。

「800」 川島誠

2007-08-14-Tue
800 (角川文庫)800 (角川文庫)
(2002/06)
川島 誠

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優等生の広瀬と、野生児の中沢。対照的な二人の高校生が走る格闘技、
800メートル走でぶつかりあう。緊張感とエクスタシー。
みずみずしい登場人物がおりなす、やみくもに面白くって、とびきりの青春小説。
〜amazonより〜

対照的な広瀬と中沢。性格も、育った環境も、(想像するに)容姿も。そんなふたり
の共通点は800Mのランナーだということですが、その走り方も正反対。
広瀬は自分の体を走る機械だと考えて細かく分析する努力型で、中沢は動物的な
勘を信じて最初から最後までトップであることを好む天才型です。

ふたりが交互に独白する形で話は進みますが、語り口調が全然違うのでふたりを
混同することもなくすらすらと読めます。そして、徐々にふたりが
惹かれあうようにして出会っていくあたりが上手く書かれています。
出会ったことによって、自分にはない部分を認め合い、お互いを高め合っていく、
素敵な関係だと思いました。また、正反対に見えるふたりですが、自分をしっかり
と持っているという面ではそっくりで、それがまたいい関係を生んでいます。

走っているシーンの描写が特に良くて、まるで自分が走ってるかのようです。
走っているあいだの、周りがゆっくりと見えていろんなことを考える感じを味わえて、
足の遅い私にはちょっと素敵な感覚でした。

ただ気になったのが、ふたりを取り巻く恋愛関係です。
やたらと大人っぽい女の子たちが登場し、あまり共感できませんでした。
亡くなった天才アスリートの先輩も、もっと違った関わり方のほうが良かったな・・・
と思ってしまいました。

「十八の夏」 光原百合

2007-08-09-Thu
十八の夏十八の夏
(2002/08)
光原 百合

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朝顔、金木犀、ヘリオトロープ、夾竹桃。四つの花が彩る珠玉の連作ミステリー。
本年度最高の感動を呼ぶ癒しの物語。第55回日本推理作家協会賞受賞作。
〜amazonより〜

「十八の夏」
予備校生の主人公がある日出会った魅力的な女性には、ある秘密があった・・・。

「ささやかな奇跡」
妻を亡くして息子とふたりで暮らしている35歳の主人公が、近くにある個人書店
の女店主と出会い・・・。

「兄貴の純情」
ジョギングの途中で見かけた女性に一目ぼれした兄を弟である主人公の目線で
描いた作品。

「イノセント・デイズ」
塾の講師をする主人公が久しぶりに教え子に会い、彼女の両親が亡くなった
事故の真相が徐々に明らかになる。

1番ミステリーらしかったのは「イノセント・デイズ」で、事件の真相が二転三転して
ドキドキさせつつ、家族とか夫婦ということについて考えさせられました。
他の3編は、日常の中にひそむ小さな秘密や誤解にハッとさせられる感覚を
描いていて、殺人のない軽いミステリーという感じでした。

どの話もミステリーなのにやわらかくて、"人生って不思議でなんだかいいものだ"
と思わせてくれます。そして、どの主人公も希望を失わないで生きている
感じがしてとても良い読後感でした。私が1番好きなのは「ささやかな奇跡」で、
主人公の息子がとにかく可愛かったです。
そして、人と人とのつながりの温かさが胸にくるストーリーでした。

『ニライカナイからの手紙』

2007-08-08-Wed
ニライカナイからの手紙ニライカナイからの手紙

(2006/01/24)
蒼井優

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すりきれた手紙を抱きしめ、少女は大人になる--。沖縄の離島、竹富島を舞台に、
母親と娘、その祖父の三世代にわたる心の絆をつづる感動作。〜amazonより〜

沖縄の竹富島で祖父と2人で暮らす少女・風希。カメラマンだった父を早くに亡くし、
東京で暮らす母・昌美は、風希が6歳の時に島を出て以来一度も戻ってくることは
ありませんでした。風希にとって、毎年誕生日に母から届く手紙が何よりの宝物。
そして、風希が14歳の時の手紙には“20歳になったら全てを打ち明けます”と--。

やがて、父の遺品のカメラで写真を撮り始めた風希は、カメラマンになることを
夢見ながら、母のいる東京への思いを募らせていき、高校卒業後、祖父の反対を
押し切り写真を勉強するため上京します。カメラマンの助手として多忙な日々を
過ごす中、20歳の誕生日になり・・・。

風希を演じた蒼井優さんのピュアな存在感がこの映画の最大の魅力☆
特に、東京に上京してきたばかりの女の子の心情が痛いほど伝わりました。
故郷を懐かしむ気持ちや環境の変化への戸惑いをほんとに自然に演じています。
その演技からは風希の心の成長がしっかりと感じられました。

あるシーンで涙が一気に込み上げてくるというよりも、ラストに向かって徐々に
涙が流れそうになるという感じの優しい優しい映画でした。
沖縄の自然と太陽の光、言葉遣い、サンシンの音もステキです。