読書日和

読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。




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「月魚」 三浦しをん

2007-06-14-Thu
月魚 (角川文庫)月魚 (角川文庫)
(2004/05)
三浦 しをん

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『無窮堂』は古書業界では名の知れた老舗。
その3代目に当たる真志喜と「せどり屋」と呼ばれるやくざ者の父を持つ太一は
幼い頃から兄弟のように育つが、ある夏の午後に起きた事件が二人の関係を
変えてしまう…。〜amazonより〜

太一が真志喜を訪ね、今度M県の山奥に買い付けに行くので付き合ってくれる
ように頼むことから始まる「水底の魚」、
ふたりの高校時代を描いた「水に沈んだ私の村」、
文庫本書き下ろしの「名前のないもの」の3編。

真志喜の祖父は古書界ではその名を知られた重鎮でした。
その祖父に愛された孫と、祖父に才能を認められていた太一。
そして、古書においては才能のなかった真志喜の父。
古書への熱い思いは同じでありながら、心を通わせあうことができなかった
家族の物語が中心にあります。

作品全体に、月の明かりだけが輝く夜のひんやりとした青白い空気が漂っていて、
特に劇的なことが起こるわけではないのですが、過去や自分と闘う強さが
じわじわと伝わります。

古書業界の仕組みをのぞき見ることができるのもイイです。
就職活動のため東京へ行った帰り、神田神保町(古書の聖地)へ寄ってちょっぴり
大人なことをした気分になったことを思い出しました。
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