読書日和

読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。




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「普通じゃない」 原田マハ

2008-05-12-Mon
普通じゃない。―Extraordinary.普通じゃない。―Extraordinary.
(2007/09)
原田 マハ

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花をこよなく愛し、就活するもことごとく失敗の御厨しいな26歳。
ひょんなきっかけで都市開発企業社長と知り合い、就職できたのだが…。
〜amazonより〜

ひょんなことから植物の声が聞こえるようになった主人公・御厨しいなは、
偶然植物園で知り合った老人が総合都市開発企業・権大開発の社長で
あったことから、その大企業に入社することになります

しかし配属されたのは秘書室とは言っても、地下4階にある別室「出島」。
何とそこは社長の妄想をかなえるための専担部署でした。
「強く願えば、きっとできる」がモットーである社長の最後の妄想、『都心の
ビルの屋上をすべて花畑に変えたい』に挑む、しいなの奮闘物語。

ファンタジーっぽい要素もあり、とても軽いテンポで物語は進んでいきます。
気軽に読める反面、もっと深いところまで書いてほしいと思う部分も
ありました。社長の妄想のエピソードも、しいなの恋愛の部分ももう少し
読みたかった。。

本の後半で"mixi"という単語が何度か出てきて、イマドキのお話だなぁと
思っていたら、この物語はmixiで連載されていたようですよ

「サマーバケーションEP」 古川日出男

2008-02-03-Sun
サマーバケーションEPサマーバケーションEP
(2007/03)
古川 日出男

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井の頭公園に湧く水をたどりながら、僕たちは海まで歩く。
それは、永遠の夏休みの始まりだった。穏やかな熱に包まれる再生の物語。
〜ブックデータベースより〜

人の顔の区別がつかないという、主人公・僕。
とてもとても丁寧な「です・ます調」の文体。(僕の語り口調)
「○○○について。」で始まる文章。(その章のタイトルのような)
・・・などの、この本独特の雰囲気になれるのに少し時間がかかりました。
でも、慣れてくると一気に読んでしまう魅力のある本でした。

ストーリーは、井の頭公園に湧く水をたどって海まで歩く、ただそれだけ。
それなのにすごい冒険のように感じるのは、歩いているのが仲間や
友達ではなく、知らない者同士だからでしょう。

ウナさんという青年。若い女性・カネコさん。イギリス人の男性と、その彼女。
小学生三人組。社長のおじさん。中国人の双子の姉妹。自転車に乗った中学生。
様々な人たちがまるで川の流れのように、合流したり離れたりしていくのです。

知らない者同士が持つ距離感や、相手をそっと受け入れるような会話、
ゴールがあるようでないような旅。そういうもの全てがこの冒険を彩っていて
とてもわくわくした気持ちで読みました。

ところで、タイトルにある『EP』。これってどういう意味なんでしょうか?
友人がEPはゲーム用語で「経験値」という意味があることを教えてくれたので、
いろんな人と出会いながらゴールを目指す感じがロールプレイングゲームの
ようで、「夏休みという冒険の経験値」と勝手に解釈しているのですが。。.

「小学生日記」 hanae*

2008-01-08-Tue
小学生日記 (角川文庫)小学生日記 (角川文庫)
(2005/07/23)
hanae*

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母と行くフリマのこと、両親の離婚、学校でのいじめ、新生活に戸惑う兄…。
モデルとして、女優として、そして一人の小学生として。
まっすぐでナイーブな感性が光る、天才作文家・hanae*ちゃんの第一作文集!
〜amazonより〜

解説で重松清さんが「小学生にしか書けないけれど、小学生には
書けない」と評しているのがまさにその通りで、
hanae*さんの日常(塾に通う話、両親と京都に旅行をする話など)が
小学生らしい視点と小学生とは思えない文章構成で綴られています。

hanae*さんは"帰国子女"と"モデル"という特殊な立場にいながら、
"ごく普通の小学生"としての生活をきちんと楽しんでいます。
そしてそこで感じたことを素直に精一杯伝えようとしているのが
ひしひしと感じられます。

ふとした文章から、小学生って大人が考えているよりもずっといろんなこと
を考えているんだな、小学生って毎日がめまぐるしくて一生懸命なんだな、
ということを感じ、私も頑張らなきゃという元気をもらった気がします。

小学生のときに読んでみたかったなぁ と思いました。

「とりつくしま」 東直子

2007-11-09-Fri
とりつくしまとりつくしま
(2007/05/07)
東 直子

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あなたは何に「とりつき」ますか?
死んでしまったあなたに、とりつくしま係が問いかけます。
そして妻は夫のマグカップに、弟子は先生の扇子に、なりました。
切なくてほろ苦くて、じんわりする連作短編集。 〜amazonより〜

この世に未練を残して死んでしまった人たちに声をかける「とりつくしま係」。
とりつくしま係にうながされた人たちは、それぞれの想いでもって、
さまざまなモノに「とりつき」ます。

まず、「とりつくしま係」というネーミングがかなり可愛い。。
そして、短くて綺麗な言葉を集めたような文章が読んでいて気持ちいいです。
それもそのはず、著者のプロフィールを見たら、東さんは歌人なんですね。

自分だったら何にとりつこう(ちなみにとりつくことができるのは生きているもの
以外です)。この本を読んだら誰もが考えることだと思います。
とても難しい質問ですが、この本に出てくる人たちのように誰かをやさしく想って
見守るモノになりたいなぁと思いました。

『青いの』・・・公園のジャングルジムになった5歳の男の子
『マッサージ』・・・リビングにあるマッサージチェアになった父親
が私は特に好きでした。

「主婦と恋愛」 藤野千夜

2007-08-02-Thu
主婦と恋愛主婦と恋愛
(2006/05/25)
藤野 千夜

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夫といても、なぜか淋しい―夫婦の間に流れる何気ない思いやりや、ちょっとした
不満&物足りなさ―そして偶然めばえてしまった夫以外の男性への恋ごころを、
繊細で、しかも優しく笑える暖かさで描きました。 〜amazonより〜

主人公は主婦のチエミ。
真面目だけがとりえの夫・忠彦は、サッカー観戦が唯一の趣味。
ワールドカップの予選を見に行った札幌で、ワカナちゃんという若い女の子と
知り合い、さらに、近所に住む写真家のサカマキさんとも友だちになって、
サッカー観戦を理由にみんなで集まるようになります。
しかし、サカマキさんの存在がチエミのなかで大きなものに・・・というストーリー。

ズバリなタイトルなので、てっきり主婦の恋愛小説かと思っていましたが、
チエミの心の中で、恋愛(のようなもの)が生まれる過程が描かれています。

夫とワカナちゃんの仲を疑ったり、自分のサカマキさんへの気持ちに夫は
気づいているんじゃないだろうかと勘ぐったり、チエミのいろんな行動の裏には
「自分は主婦なんだから。。」というのがあるようでした。

主婦が夫以外の人に気持ちが向くことは案外あるのかもしれません。
でも、映画のように身も心もどっぷりハマってしまうということはほとんどなくて、
始まらないから終わりもない、そんな場所を楽しんでいるのかなと思いました。
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