読書日和読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。 |
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「海に落とした名前」 多和田葉子
2007-09-04-Tue
![]() | 海に落とした名前 (2006/11/29) 多和田 葉子 商品詳細を見る ![]() |
NYから東京に向かう飛行機が不時着。
生き延びたと思ったのも束の間、「わたし」はすべての記憶を失っていた。
手がかりは、ポケットの中のレシートの束だけ。
スーパー、本屋、カフェ、ロシア式サウナ…。熱心に過去を探る謎の兄妹が現れて
「わたし」の存在はますます遠のいてゆく。
表題作ほか全四篇、待望の最新短篇集。〜amazonより〜
キレイな表紙に惹かれて図書館で借りてきた1冊。てっきり恋愛小説かと
思っていたら、ミステリーの要素を含んだ不思議な作品でした。
表題作以外の3作品が私には難解だったので星1つ。
「海に落とした名前」は、自分に関する情報を失くしてしまった女性のお話です。
唯一の手がかりは、ポケットに入っていたレシート。彼女が自分のことを
思い出そうとすればするほど、それはよりあやふやになっていきます。
そんな彼女を熱心に世話する兄妹が現れて、彼女の過去を探ろうとします。
しかし彼女は彼らを信じていいのかすら分かりません。
過去の自分を取り戻すべきなのか、現在の自分を受け入れるべきなのか。
最後には、そもそも自分とは何者なのかを考えさせられました。
「しょっぱいドライブ」 大道珠貴
2007-07-20-Fri
第128回芥川賞受賞作☆
海沿いにある小さな町を舞台に、34歳の実穂と60代前半の男性九十九さんの
微妙な恋愛関係を、語り手である実穂の視点から描く。
このほか、中学2年生の不登校の少女と26歳の相撲取りという不思議な
組み合わせのカップルを描いた「富士額」、若い女性同士の密着感のある奇妙な
主従関係をつづった「タンポポと流星」を収録した短編集。〜amazonより〜
実穂は定職にも就かず、60過ぎの妻子ある男・九十九さんとデートを重ねて
います。これだけだとなんだか実穂に計算がありそうに思えてしまうのですが、
実穂もまた、ちょっと社会からはみ出たようなところがあって、
このふたりの浮世離れしたふわふわした状態が不思議な作品でした。
実穂と九十九さんのデートは、九十九さんの運転する車に乗って生まれ故郷の
潮の匂いの漂う町のドライブ。初め、海が近いところからタイトルに「しょっぱい」が
ついているのかと思ったのですが、どうも『イケてない』という意味のようです。
イケてないふたりの冴えないデート・・・。なのに、暗さばかりではありません。
自分の居場所を求める実穂と、自分なりに人生の最後に恋をしようとする
九十九さんの打算と切なさが丁寧に描かれています。
そこには悲しいユーモアが漂っていて、妙に後を引く読後感でした。
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海沿いにある小さな町を舞台に、34歳の実穂と60代前半の男性九十九さんの
微妙な恋愛関係を、語り手である実穂の視点から描く。
このほか、中学2年生の不登校の少女と26歳の相撲取りという不思議な
組み合わせのカップルを描いた「富士額」、若い女性同士の密着感のある奇妙な
主従関係をつづった「タンポポと流星」を収録した短編集。〜amazonより〜
実穂は定職にも就かず、60過ぎの妻子ある男・九十九さんとデートを重ねて
います。これだけだとなんだか実穂に計算がありそうに思えてしまうのですが、
実穂もまた、ちょっと社会からはみ出たようなところがあって、
このふたりの浮世離れしたふわふわした状態が不思議な作品でした。
実穂と九十九さんのデートは、九十九さんの運転する車に乗って生まれ故郷の
潮の匂いの漂う町のドライブ。初め、海が近いところからタイトルに「しょっぱい」が
ついているのかと思ったのですが、どうも『イケてない』という意味のようです。
イケてないふたりの冴えないデート・・・。なのに、暗さばかりではありません。
自分の居場所を求める実穂と、自分なりに人生の最後に恋をしようとする
九十九さんの打算と切なさが丁寧に描かれています。
そこには悲しいユーモアが漂っていて、妙に後を引く読後感でした。
「ジョゼと虎と魚たち」 田辺聖子
2007-06-19-Tue
![]() | ジョゼと虎と魚たち (2003/12) 不明 商品詳細を見る ![]() |
どこかあやうくて、不思議にエロティックな男女の関係を描く表題作他、
仕事をもったオトナの女のさまざまな愛と別れを描いて、素敵に胸おどる
短編8編を収録した珠玉の作品集。〜amazonより〜
足が悪く車椅子がないと動けないジョゼは、ほとんど外出したことがなくひっそりと
暮らしていました。市松人形のように美しい外見だが、態度は高飛車。
そんな彼女が大学を出たばかりの恒夫と出会い、、というストーリー。
映画『ジョゼと虎と魚たち』を観た後に読んだのですが、短編集だったことに
まず驚きました。表題作は30ページに満たないくらいの短い話で、
これをよく映画化しようと思ったなぁと。
でも、主演の池脇千鶴さんと妻夫木聡さんがジョゼと恒夫のイメージにぴったりで、
とても良い映画でした。
映画と小説は展開も結末も違っていたのに、読み終わった後の気持ちはなぜか
同じでした。ジョゼと恒夫が幸せになれる気がしない危うい感じと、
幸せになってほしいという願いが残るのです。
他の7つの短編もそれぞれとても短いながら大人の色気にあふれた作品ばかり。
様々な経験を重ねて、とても現実的な生き方をしている女性たちの恋愛が
描かれていて、女性の人生って様々だな、と思いました






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