読書日和

読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。




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「リリイの籠」 豊島ミホ

2008-06-02-Mon
リリイの籠リリイの籠
(2007/12/14)
豊島 ミホ

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女の子同士って、むずかしいけれどやっぱり特別。
女子高を舞台にキラめく感情の交差を描き出した、書下ろし1編を
含む全7編。〜amazonより〜

仙台の女子高を舞台にした短篇集で、在校生、卒業生、教師などの7人
が主人公になります
私は共学だったので、女子高に対しては憧れる反面、閉塞感のようなもの
を感じていて、その独特な雰囲気をとても感じられる1冊でした。

ストーリー自体はありふれているのに、女の子同士のあいだにある嫉妬や
優越感、優しさや残酷さをとても上手に描いていました。
こういう女の子特有の気持ちって、この年代ならではのような気もするし、
いくつになっても変わらない気もするし、それならどういう気持ちでいるのが
1番自分らしくいられるんだろう、、、と考えてしまいました。

誰もが認める可愛い女の子と容姿の劣る女の子の「いちごとくま」、体育会系
の女の子と文化系の女の子の「やさしい人」が特に好きでした。
接点のなさそうなふたりがふとしたことで交流を持ち、そこでいろんな気持ちが
生まれる。そういう話を書くのが豊島さんは本当にうまいです。

収録作品:「銀杏泥棒は金色」「ポニーテール・ドリーム」「忘れないでね」
「ながれるひめ」「いちごとくま」「やさしい人」「ゆうちゃんはレズ」

「陽の子雨の子」 豊島ミホ

2008-05-14-Wed
陽の子雨の子陽の子雨の子
(2006/03/28)
豊島 ミホ

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私立の男子中学に通う夕陽、24にしては幼く見える雪枝、15で雪枝に
拾われて4年になる聡。
初めて夕陽が雪枝の家を訪ねる日、押入れの中には、後ろ手に縛られた
聡がいた……。不安と希望の間で揺れる、青春の物語。〜amazonより〜

中学2年生の夕陽。
担任の先生の同級生だという雪枝と知り合い、メールを交わすようになります。
その雪枝の家には、15で家出をして雪枝に拾われた聡がいました。

夕陽が年上の女性・雪枝に憧れのような恋心を抱く話なのかな〜なんて
読み始めたら・・・初めて夕陽が雪枝の家を訪れたとき、なんと、
後ろ手を縛られた聡が押入れの中にいたのです。

初めはなにがなんだかわからなくなってしまい、読み続けられるか不安にさえ
なってしまったのですが、雪枝の心に潜むものが見えてくるとどんどん
物語にひきこまれていました。

自分の限界は見えてしまった。でも、トクベツになりたい。そんな雪枝の気持ち
をまだ知りたくないとでもいうように、雪枝たちとは一定の距離を置く夕陽の
健やかさが、この物語の"陽"だったように思います。

「エバーグリーン」 豊島ミホ

2008-04-11-Fri
エバーグリーンエバーグリーン
(2006/07)
豊島 ミホ

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2人をつなぐものは…約束。中学校の卒業式で、10年後の再会を約束した
シンとアヤコ。夢をかなえるため、シンは地元に残りアヤコは東京に向かう。
それぞれの日常の中で、時間も距離も離れた2人の心は、揺れていた。
ほろ苦い青春の日々を通して描かれる切なさにキュッとなる恋愛小説。
〜amazonより〜

舞台は田舎の平凡な中学校。
オタクっぽい友人を持ちなんとなく漫画を描いているアヤコと、
兄から教わったギターでミュージシャンを目指すシン。
ひょんなことからお互いなんとなく意識し始めたふたりでしたが、付き合う
わけでもなく、10年後に再会することを約束して別々の高校に進学します。

お互いを思いながら10年を過ごし、感動の再会を果たす話・・・かと
思ったら、シンには家族ぐるみで付き合いをしている彼女がいて、
アヤコにも再会の直前に恋人ができます。
それでもふたりにとって特別な約束であることに変わりはなくて、
それがふたりを縛っているようにも頑張らせているようにもみえました。

アヤコが漫画家になった事を偶然知って、自分は10年間何をしてきたのだろう
という思いに駆られギターを手に取るシンに、特に共感しました。
大人になるということは、「なれる」と思っていたことが「なりたい」ことになり、
いつか「なりたかったなぁ」になってしまうことなんだとしたら
ちょっと切ないなぁと思いつつ、そういう中で自分なりに答えをみつられたら
いいなぁとも思いました。

個人的にはアヤコと恋人の伊地知くんのエピソードが大好きでした

「青空チェリー」 豊島ミホ

2008-02-22-Fri
青空チェリー青空チェリー
(2002/09)
豊島 ミホ

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入学して1ヶ月、うちの予備校の隣にラブホが建った。
以来あたしは屋上からのぞきちゃんな日々。ゆるしてちょうだい、だって
あたし18さい。発情期なんでございます…。
第1回女による女のためのR‐18文学賞読者賞受賞作。〜amazonより〜

"女による女のためのR-18文学賞"で読者賞を受賞した「青空チェリー」、
戦時下の恋を描いた「ハニィ、空が灼けているよ。」、
中学のころの恋心を抱き続ける青年の「誓いじゃないけど僕は思った」
の3編が収録されています。

素朴な学生たちの恋愛を描いた「檸檬のころ」の印象が強いので、
様々な作風を持っているんだなぁと、豊島さんの幅の広さを感じました。

表題作の「青空チェリー」。
予備校生のあたしは、その屋上に通う日々を送っています。
なぜならラブホテルを覗けるから
そしてある日、屋上で本橋くんに出会います。ふたりは一緒に覗きを
しているうちに、いつの間にか隣にいることが当たり前になっていき・・・。

R-18小説ということでかなり覚悟して読んだのですが、
出会いこそ風変わりなものの、あっけらかんとした明るさがあり、
キュートな恋愛小説といった感じで好感が持てました。
男の人が読んだら、どういう感想を持つんでしょうか。。。

「東京・地震・たんぽぽ」 豊島ミホ

2007-09-16-Sun
東京・地震・たんぽぽ東京・地震・たんぽぽ
(2007/08)
豊島 ミホ

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東京で大地震発生―。「その時」露わになる、心の奥底とこれまでの人生すべて。
瓦礫の街で芽生えるのは、悲しい孤独?
それとも明日を生きるための勇気と希望?
25歳の作家が恐れと祈りをこめて描いた、書き下ろし短編集。
〜amazonより〜

東京での大地震に遭遇した14人の人生の光景が変わる瞬間を描いたショート
ストーリー集。若い豊島さんが決して他人事ではない「地震」に
真っ直ぐに向き合って書いていて好印象を受けました。

一番最初の「僕が選ばなかった心中、の話」でいきなり、小さな選択がその後の
人生を決定してしまうことの怖さや運命ということについて考えさせられます。
他には、「空と地面のサンドイッチ」、「いのちのはじまり」が好きでした。

被災者につけこもうとする人が出てきたり、読んでいると落ち込んでしまいそうな
話も多かったですが、地震によって全ての人に何らかのドラマが生まれて、
そのドラマを抱えて人生は続いていくことを改めて感じました。

「檸檬のころ」 豊島ミホ

2007-07-18-Wed
檸檬のころ檸檬のころ
(2005/03)
豊島 ミホ

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かっこ悪くて、情けなくて、でも忘れられない瞬間がある。
田んぼと山に囲まれた、コンビニの一軒もない田舎の県立高校を舞台に綴る
青春の物語。〜amazonより〜

地方の高校を舞台にした、高校生たちの短編連作集です。
好きだった3つの話の感想を。。

「タンポポのわたげみたいだね」
授業を受けられなくなってしまった友達・サトとの関係に悩む主人公・橘。
周りから、橘はカワイイ子、サトはさえない子と思われています。
橘にとってサトへの心配がだんだん重荷になっていくのがとてもリアルでした。
それを感じ取っていたサトが言うラストのセリフがとても切なかったです。

「ルパンとレモン」
中学時代の彼女をいつまでも忘れられない主人公・西。
友人の佐々木が彼女を好きになり、彼女に近づくのにつき合わされ、
彼女が佐々木に魅かれていくのをそばで見ていなければならない状況に
陥ります。読んでいるあいだずっと、自分の気持ちをきちんと伝えることの
大切さを感じました。

「ラブソング」
音楽好きの主人公・白田は、そのマニアックさからクラスでは浮いた存在。
白田は軽音部の辻本くんと音楽の話で意気投合し、彼に恋をしてしまいます。
それからの白田のあたふたっぷりがおもしろい!
結局あっさり失恋してしまうのですが、不器用で一生懸命で青春!!でした。

この作品で書かれているのは、きっと誰もが経験したことがある高校生活です。
特別じゃない、派手じゃない、いろんなことに悩んでいて、でも一生懸命で。
いろんなところに、フッと懐かしく思い出すようなものをたくさん含んだ小説です。
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