読書日和読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。 |
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「素晴らしい一日」 平安寿子
2008-03-01-Sat
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恋人に逃げられ、勤務先は倒産。
ドツボにはまった三十歳の幸恵は、昔付き合った男に貸した金を取り立てる
ところから人生を立て直そうと考えたが…。(「素晴らしい一日」)。
卓抜なユーモア感覚が絶賛されたオール読物新人賞受賞作を含め、
憂きことばかりの人の世を、もがきながら生きる人間像を軽やかに讃える
傑作六編。〜amazonより〜
表題作「素晴らしい一日」では、昔付き合った男性のところへ借金を取り立てに
行く30歳女性・幸恵の一日が描かれています。
ところがその元彼・友朗は、返せるほどお金がないからお金を都合してくれそう
なところを一緒に回ろう、と幸恵を引き連れていろいろな人のもとを訪れます。
もともと貸していたお金なのだから返してもらうのは当然なわけですが、
目の前で借金を頼む友朗とそれぞれの対応をみせる女性たちを見て、幸恵の
心には様々な感情が芽生えます。
なにがなんでも借金を返してもらって人生を立て直すんだ!と気合十分だった
幸恵の気がだんだん緩んで、それどころか癒されてしまっている様子が
良かったですし、友朗の駄目男っぷりもなんだかほほえましいなぁと
私もすっかり思わされてしまいました。
他には、家出して3年も音信不通の女性と間違われ、その女性の代わりに
危篤の状態の父親に会いに行って欲しいと頼まれた瑠美の一日を描いた
「アドリブ・ナイト」も好きでした。
「もっと、わたしを」 平安寿子
2008-02-18-Mon
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優柔不断、プライド高過ぎ、なりゆき任せ、自意識過剰、自己中心。
不器用な五人五様の煩悩がすれ違ったとき、少しだけ人生が動きだす。
「自分らしく」生きようとする人のダサさとせつなさを描く、
待望の書き下ろし小説!〜amazonより〜
「いけないあなた」
主人公は、二股をなじられる優柔不断な男・江口。
人生で初めて二股を経験した、28年間もてたことなどない江口は、ふとした
ことから二人ともにプロポーズしたことがばれ、トイレに監禁されてしまう・・・
「ノー・プロブレム」
主人公は、世界は自分を中心に回っていると考える自己中心的な男・有樹。
「ありがとう」と「すみません」を言わない男として社内で浮きまくる彼のことを、
古株OL・富貴だけは応援してくれていて・・・
「なりゆきくん」
主人公は、成り行き任せで生きている男・正太。
これまでどんな仕事も長続きしなかった彼は、現在の就職先の社長の娘・
しのぶのことが気になっている。しのぶにはたまに食事に誘われるものの・・・
「愛はちょっとだけ」
主人公は、容姿抜群で男にもてるけれど本当の愛を知らない女・絵真。
自分は男が放っておかないタイプであることを自覚している自意識過剰の
絵真は、昔言われたある言葉に深く傷つき未だにひきずっていて・・・
「涙を飾って」
主人公は、男に媚びて何が悪いと開き直っているシングルマザー・行田。
女手一つで健気に子供を育てていることを売りにしている彼女は、
父親候補として勤める会社の6歳年下の御曹司に目をつける・・・
前の話にちょこっと出てきた人物が次の話の主人公にとなる、という
私の大好きなタイプの連作短編集でした。"あ、この人はさっき出てきた・・・"
と思う瞬間がすごく好きなんですよね

平安寿子さんの小説は、とにかく登場人物のキャラクターが面白いです。
本作も主人公となるのはおせじにも性格が良いとはいえない、屈折感を
抱いている男女で、読んでいて"なんでそんな風に考えるんだろう"と思うこと
も度々あるんですが、どこか愛おしいんです。
フツウはこうした人たちが欠点を克服していくというストーリーなんでしょうが、
そうではないところがまた面白い。。
もしかすると自分にもこういう面があるのかな、とか、こんな風になれたら
いいだろうな、と思わされてしまうあたりが上手いなぁと感じました。
「あなたにもできる悪いこと」 平安寿子
2007-11-14-Wed
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インチキセールスならお任せあれの口先男、檜垣が出会った無愛想女、里奈。
「バイトしない?」の里奈の誘いで、詐欺師コンビが結成された。
痛快ユーモア小説。〜amazonより〜
好感度抜群のルックスと巧みなトークを持つ檜垣と、無愛想でクールな里奈。
ふたりは、仕事があるときだけ集まります。まるでスパイ大作戦のよう。
しかし、その仕事というのはいわゆるカツアゲ。檜垣と里奈が狙うのは、
不倫をしている教頭、資金繰りの怪しい選挙立候補者など、いわゆる悪いことを
している人。しかし、単にその悪事を暴くわけではなく、その弱みにつけ込んで、
相手が出せる範囲内の金額をゆすり取るんです。
主人公が悪いことをするというちょっと珍しい設定でしたが、檜垣の憎めない
キャラクターや、やることが大悪事ではないところに好感が持てました。
上手くお金を取れたときなんかはちょっと爽快感まで感じてしまいました。
読んでいるあいだずっと気になったのはラスト。悪いことはやっぱりよくないよね
という方向に進むのか、悪いことってちょっと楽しいよねという方向に進むのか。。
ぜひ読んで確かめてみてください。






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