読書日和

読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。




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「シルエット」 島本理生

2007-07-24-Tue
シルエットシルエット
(2001/11)
島本 理生

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そっと抱きしめたい、人を想う痛みといとおしさ。
清新な感性がきらめく17歳のデビュー作。群像新人文学賞優秀作受賞。
〜amazonより〜

「シルエット」「植物たちの呼吸」「ヨル」の3編が収められていて、
どれも主人公の揺れ動く心や、若さからくる繊細さを的確に表現しています。

表題作の「シルエット」は、今は大学生のせっちゃんと付き合っているけれど、
どこかで元恋人の冠くんのことが忘れられないでいる"わたし"の物語。
両親が悲しい形で別れ母親の面倒を見ている冠くんは、女性に触れることが
できなくなってしまった男の子でした。

せっちゃんを好きな気持ちとは別のところで、冠くんへの思いが残っている"わたし"
を通して、他人を理解することの難しさ、人を好きになることの高揚と葛藤が
描かれています。ストーリーや構成で驚かされるようなことがなくても、
静かな世界観を味わえる良い作品です。

著者があとがきで述べている「書きたかったのは、ずっと一人だけで守ってきた
心の中に初めて他人という存在が深く関わってくるときの感覚や気持ちで、
その息苦しさや、それでもだれかを強く必要とする気持ちを、
この本から感じ取っていただけたら嬉しい」という言葉が印象的でした。
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