読書日和

読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。




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「その街の今は」 柴崎友香

2008-02-11-Mon
その街の今はその街の今は
(2006/09/28)
柴崎 友香

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わたし、昔の大阪の写真見るのが好きやねん。その、どきどきの
中毒みたいな感じやねん---。過ぎ去った時間の上に再生し続ける街の姿に、
ざわめく28歳の気持ちを重ねて描く、新境地の長篇。〜amazonより〜

大阪で暮らす28歳の主人公・歌は、勤めていた会社が倒産して、今は
馴染みのカフェでアルバイト中。合コンにもよく顔を出すけれども
なかなかうまくはいかない。そんな中で知り合った25歳の良太郎とは
とりあえずは気の合う友だちといった関係で・・・。

一方、歌には昔の大阪を写した写真を見るのが好きという一面があり、
知っている場所が映っている写真と現在のその場所とを比べることで、場所
や時間とのつながりを感じ、"今を生きている"実感を持つことができます。
この歌の気持ちってなんとなくわかります。
私は何度か引っ越しを経験しているんですが、以前住んでいた家を通り過ぎる
とき、今そこに住んでいる人のことや自分が住んでいたときのことを思って、
不思議な気持ちになるんです(ちょっと違いますかね・・・)。

あと、この小説って青山七恵さんの「ひとり日和」にちょっと似ています。
どちらも、ちょっと変わった趣味を持つ女性が、ゆるい生活を送る中で
いろいろなことを感じたり考えたりします。
大きなできごとがあるわけではないのですが、それがとても心地よく、
しかもラストは明るい未来を予感させてくれます

柴崎さんは特に街や風景の描写力が素晴らしく、大阪に一度も行ったことが
ない私は、大阪が映像として浮かばないのが少し残念なのでした。。

「きょうのできごと」 柴崎友香

2007-08-22-Wed
きょうのできごと (河出文庫)きょうのできごと (河出文庫)
(2004/03/05)
柴崎友香

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ある晩、友人の引っ越し祝いに集まった数人の男女。
彼らがその日経験した小さな出会い、せつない思い。5つの視点で描かれた
小さな惑星の小さな物語。書下ろし「きょうのできごとの、つづきのできごと」収録。
〜amazonより〜

舞台は京都。正道の大学院合格&引っ越し祝いに飲み会をしようと
一軒の小さな家に集まった若者たち。けいと・真紀・中沢・かわち・正道、
それぞれの視点でその日のできごとが描かれています。
視点(語り手)が変わるので、同じできごとでも違う風景に見えて、
物語がより深いものになります。自分が振る舞っている姿と、
それを他人が見た姿を両方知ることが出来るように書かれているのが良いんです。

特に何がも起きるわけでもなく、ひと言でいってしまえば"飲み会をしているだけ"。
なのに、本当に面白くて一気に読んでしまった、その描写力に☆5つにしました。
高速道路の灯が作る陰と光が車内を通り過ぎる様子。酔っ払いながらも
お風呂場で散髪する様子。自転車に乗って夜の道を走る様子。
そういうひとつひとつを、登場人物たちの会話(あたたかみのある関西弁)や
しぐさや細かい情景描写が、リアルさを持たせて心地よい物語にしています。

夜12時を過ぎたから「あした」じゃなくて、「きょう」がずっと続いていく毎日って
いいなぁと思いました。

「次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?」 柴崎友香

2007-07-04-Wed
素敵なタイトルです。
私なりの解釈ですが、次の町というのが人生の転機だとすると、
どんな歌をうたうの?はそこに行き着くまでに何をするの?ということで、
そこで何をするかが大切、という感じでしょうか

次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?
(2001/02)
柴崎 友香

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大阪発東京行。友人カップルのドライブに男2人がむりやり便乗。
4人それぞれの思いを乗せたドライブ旅行の行方は? せつなく、はがゆい
ロード・ラブ・ストーリー。ほかに「エブリバディ・ラブズ・サンシャイン」を収録。
〜amazonより〜

表題作の主人公は、写真の才能があるのにフリーターをしている小林望。
友人・恵太とその彼女・ルリちゃんがディズニーランドへ行くと知り、自分の後輩・
コロ助を使ってその旅に便乗することから、4人のドライブが始まります。

小林は思ったことをすぐに口に出すので(高速道路は飽きたとか、どうしても
うなぎが食べたいとか)、旅は全然予定通りに進みません。
そんな旅の、4人の会話で物語は進みます。

柴崎友香さんの作品には2つの特徴があると思います。
ひとつは関西弁。
関西弁の会話がいきいきとしていて、とてもいいリズムと空気感があります。
もう1つは何気ない日常を書いているということ。何も起きていないようで
実はいろんなことが起きているということに気づかされます。

この作品の解説は綿矢りささんでした。豪華ですね。
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