読書日和

読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。




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「幸せな嘘」 きむらゆういち

2008-06-24-Tue
幸せな嘘幸せな嘘
(2007/03/30)
きむら ゆういち

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テレビから流れるドラマのストーリーと現実の恋愛が同時進行。
ヒロインがその謎に気づいたとき、恋人は彼女の前から姿を消す。
「あらしのよるに」のきむらゆういちが初めて手がけたスリリングで
小粋なラブストーリー。〜amazonより〜

人気脚本家というプレッシャーから逃げ出して、辿り着いた港町で素性を
隠してバーテンダーとして暮らし始めた尚紀。
バーにやってくる客たちの世間話に耳を傾けるうちに、尚紀は、ドラマは
日常の中にあることに気がつきます。そんな中、バーに出前でやってくる
近所のラーメン屋の娘・琴美に次第に惹かれていきます。

再び脚本を書き始める尚紀。そしてその脚本をテレビ関係者に匿名で
送ったところ、ドラマ化されてしまいます。
それがきっかけで尚紀に対して不信感を抱き始めた琴美。ラストに
むかって、すれ違い始めたふたりの恋の行方が描かれます。

初めは良い印象を持っていなかった相手に惹かれていく恋愛や、恋の
ライバルは幼なじみ、脚本家が自分が書くドラマと現実をだぶらせる・・・
など、なんというか"韓流ドラマ"のような展開。
小説というより脚本を読んでいるようで、いまいち登場人物の気持ちに
感情移入できませんでした。装丁はとても素敵だったのにな。。

「島の夜」 木村紅美

2008-03-21-Fri
島の夜島の夜
(2007/09)
木村 紅美

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父を探して、私は一人、島に来た。
少女が出会ったのは、オカマと四十前の処女。そして見つけた父親は…。
いろんな魂が、濃密に絡み合う奇跡のような四日間。〜amazonより〜

18歳の春、初めての1人旅で竹富島へやって来た女子大生の波子。
なぜなら、そこで幼い頃に母親と離婚して家を出て行った父親が民宿を
経営していることを知ったから。
いつも父親をののしっている母親には内緒で再会した父親は、昔と変わらず
モテているようで民宿のヘルパーである雪ちゃんという彼女がいました。

そんな民宿で波子が出会ったのは、それぞれ一人旅をするホモセクシュアル
の28歳・トシミさんと、男性経験のない38歳・小百合さん。
トシミさんは旅先で死んだと思われている別れた彼氏の足跡をたどり、
小百合さんは東京で15年間OLをしていたが、親の介護のためこの旅が
終わったら秋田に帰らなければならないという事情を抱えていました。

沖縄の風景や風俗、マブイといわれる霊魂の存在、夜の海の景色なども
丁寧に描きつつ、波子の成長が感じられる内容でした。
トシミさんや小百合さん、そして父親と一緒の時間を過ごすうちに、波子の
中にあった価値観が少しずつ変わっていきます。

旅が終わるとそれぞれの現実が待っていますが、この旅であることに
気が付いた波子と母親の関係はこれから少しずつ変わっていくでしょうし、
みんな時々この旅のことを思い出したりしながら前向きに
進んでいくのだろうなぁと思わずにはいられませんでした。

「ジョナさん」 片川優子

2008-02-12-Tue
ジョナさんジョナさん
(2005/10)
片川 優子

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講談社児童文学新人賞入賞で鮮烈のデビューをはたした期待の高校生作家
の第二作は日々を愛おしく思える青春小説。〜amazonより〜

現役高校生が描いた、高校2年生の女の子・チャコの物語。

親友であるトキコのすれ違い、亡き祖父に対する複雑な想い、迫られる
進路選択・・・など、チャコの悩みはつきません。
そんなとき、死んだおじいちゃんが可愛がっていた犬が必ず行く公園で
爽やかな青年・ジョナさんに出会います。

ジョナさんへのほのかな恋心と、親友・トキコとの関係を、
どちらも疎かにすることなくきちんと書いているところに好感が持てました。
チャコにとってジョナさんとの会話は揺れる心の支えになり、トキコとの
ケンカは本当の友達の意味を教えてくれます。

高校2年生という大人でも子どもでもない中途半端な時期の「自分が
どうしたいのかがわからない」という悩みに、真っ直ぐに向き合った作品
だと思いました。

ところで、片川さんのデビュー作は「佐藤さん」とのこと。
「○○さん」シリーズでいくんでしょうか

「明日この手を放しても」 桂望実

2007-09-18-Tue
明日この手を放しても 明日この手を放しても
桂 望実 (2007/06)
新潮社

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19歳で失明した凛子。向日葵のようだった母の死に続き、寡黙だけど優しい
漫画家の父までいきなり消えてしまった。残ったのは、自分のことに精一杯で
気配りの足りない兄・真司だけ。
一番近くにいても誰より遠い二人の未来に待っているのは…。
家族の愛がぎっしり詰まったハートフルな長編小説。〜BOOKデータベースより〜

失明、母親の死亡、父親の失踪。あまりにも悲劇的な凛子が主人公で、
どうなっていくんだろう・・・と思いながら読み進めました。私の心配をよそに、
凛子はとてもクールで現実的な女性。そして、彼女と正反対な兄の真司。
子どもの頃から何でも人のせいにして、癇癪をおこしてばかりです。

そんなふたりの視点で交互に物語は進んでいきます。ふたりには、信頼していた
編集者の裏切り、身元不明の死体の確認、真司の恋愛など、様々な出来事が
待ち受けていましたが、ぶつかり合いながらもいつもふたりで乗り越え、
少しずつお互いのことを理解していってるのが伝わりました。

すぐに怒りだす真司の性格も、クールな凛子の代わりに怒ってあげているように
感じられました。
本人はそんなこと考えもせずにただ怒っていたのかもしれませんが、その怒りが
ふたりが前に進む力になっていたのは間違いないと思います。
辛くても笑い合える人がひとりでもそばにいれば頑張れるのかもしれないな
と思える清々しい読後感でした。

「月の砂漠をさばさばと」 北村薫

2007-06-27-Wed
大好きなおーなり由子さんが挿絵を担当しているということで読んだ本

おーなり由子さんのHPはコチラ⇒http://www10.plala.or.jp/Blanco/

月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)月の砂漠をさばさばと (新潮文庫)
(2002/06)
北村 薫おーなり 由子

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9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。
毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。
どんな時もあなたの味方、といってくれる眼差しに見守られてすごす幸福。
やさしく美しいイラストで贈る、少女とお母さんの12の物語。〜amazonより〜

さきちゃんとお母さんは、まるで友達のように仲の良い母娘です。
そんなふたりの日常のやりとりが中心になっていて、ちょっとのきっかけから
どんどん話がふくらんでいきます。
さきちゃんの感受性と、それを大切にしようとするお母さんの優しさがステキ♪

「こんなお母さんになりたい」と、すごく思いました。
でも、そんな理想的なお母さんでも、猫を飼いたいというさきちゃんに(住んでいる
ところの決まりで動物は飼えません)自分でもはっとするほど冷たい言葉を
かけてしまったり、さきちゃんがお父さんに(今はお父さんはいません)
ふわふわの綿菓子を見せたくて少しちぎってお皿にのせておいたら、
次の日にはぺしゃんこにつぶれてしまっていたり、
幸せの中にもふとやって来る悲しさや寂しさも書かれていました。

何気ない日常の中には、嬉しいこと・悲しいこと・楽しいこと・切ないことが
詰まっていて、それらをきちんと感じて大切にしたいと思いました。
いつか子どもを産んだら、また読み返したい一冊です。

「ハチミツドロップス」 草野たき

2007-06-26-Tue
ハチミツドロップスハチミツドロップス
(2005/07)
草野 たき

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クールな高橋。坂本竜馬フリークの真樹。ちょっとエッチな田辺さんに、
運動神経ゼロの矢部さん。これが我がソフトボール部の面々。
仲間たちとの楽しい部活のかたわら、直斗との恋も絶好調な私・カズ。
でも、この幸せな中学生ライフが、なんとなくズレはじめてきて…。
〜amazonより〜

主人公・カズが所属している女子ソフトボール部は"ドロップアウト集団のくせに、
部活の甘くておいしいとこだけを味わってるやつら"ということから
「ハチミツドロップス」と言われています。

ところが、そんな怠け者の部にやる気満々の1年生が10人も入部してきたことに
よりハチミツドロップスは解散することになります。
居心地のいい場所を失くしたカズ、そしてハチミツドロップスの仲間たちは、
自分の人生を模索します。

主人公のカズは、いつもどこでも「明るくてお調子者のカズ」を演じている子。
家では父親の浮気相手からのイタズラ電話に傷つく母の気持ちを盛り上げようと
オバカな娘を演じ、学校では直斗との別れに傷つきながら、なんでもないよー
というフリをします。

自分を演じていることをわかっていながら暮らしていたカズは、ずっとハチミツ
ドロップスのままではいられないことに気づき、"カズらしさ"に縛られず、
自分の気持ちに素直に行動しようとします。

大人だって、意識はしていなくても、自分はこういうキャラクターだから
こうしなければと思って行動しているような気がします。
自分らしいってどういうことなんだろうということと、
子どもって意外と大人なんじゃないか、ということを考えさせられる本でした。

「ボーイズ・ビー」 桂望実

2007-06-06-Wed
ボーイズ・ビーボーイズ・ビー
(2004/03)
桂 望実

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川端隼人12歳。この夏、ママを亡くした。
弟の直也はまだママが「死んだ」ということがわかっていない。
消防士のパパは夜勤が多いから、ぼくが直也の面倒を見なければならない。
園田栄造70歳、靴職人。
魂を込めて靴を造る。そのために不要なものはすべて排除する。
ガキは特に嫌いだ。わがままで、未熟なくせに姑息で、甘えてみせもする。
じんわりと気持ちがほぐれる、泣けないガキと偏屈ジジイの物語。
〜amazonより〜

頑固なジイサン・栄造と、周りに気を遣ってばかりの少年・隼人の物語。
ジイサンは靴造りのスランプに、少年は母親が亡くなってしまった家庭で
苦しんでいます。そんな2人がひょんなことから知り合い、
お互いを少しずつ変えていきます。

小さな事件がぽつぽつと起こりながら物語は進んでいきます。
そして、2人にとって最大の壁が訪れ、ラストを迎えます。
それまでと同じようなテンポでラストもさっぱりと書かれているのが、
良い読後感を与えてくれます。

桂望実さんは映画で話題になった「県庁の星」の著者でもあります。
「県庁の星」といい、厳しい現実の中でも希望を見つける、というのが多い作家さん
なのでしょうか。他の作品も読んでみたくなりました。
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