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「おめでとう」 川上弘美
2007-07-21-Sat
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きんめ鯛を手土産に恋しいタマヨさんを訪ねる“あたし”の旅。
終電の去った線路で、男を思いつつ口ずさむでたらめな歌。
家庭をもつ身の二人が、鴨鍋をはさんでさしむかう冬の一日。
ぽっかりあかるく深々せつない12の恋の物語。〜amazonより〜
川上さんの作品は、読んでいるうちにどこか別の世界に迷い込んでしまったような
不思議な感覚に陥ります。なので、感想も何と書いたらいいのか悩んでいたら、
この本の解説に思わず納得してしまった部分がありました。
「川上弘美の小説やエッセーを読むと、必ず何度か笑ってしまう。
しかし、あははと笑ったことはない。ふふふと笑う」
「個人の不安やかなしみを、いとも自然に、人間というものの不安やかなしみに
転化させる不思議が満ちている」
「会えば別れがくる。各編に流れるものは、愛の不確かさの確かさである」
とてもよく、この小説を表している言葉たちだと思います。
どの話も余計なもの・ことを排除して、シンプルに進んでいきます。女性同士の話や
幽霊が出てくる話もあり、設定は少し変わっているかもしれませんが、
恋愛中のふたりの世界をちょっとだけ覗かせてもらっているような印象です。
詩のように短く淡々とした文章が妙に説得力があり、"今確かにあるこの瞬間は
いつか終わってしまうんだろうな・・・"という諦め感がどの話にも漂っています。
そしてそれを、かなしいだけでなく愛しいと思わせてくれます。
私は、『どうにもこうにも』『冬一日』『川』が好きでした。



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