読書日和読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。 |
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「神様からひと言」 荻原浩
2008-05-11-Sun
![]() | 神様からひと言 (光文社文庫) (2005/03/10) 荻原 浩 商品詳細を見る ![]() |
大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。
入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる
「お客様相談室」へ異動となった。
ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや…。
サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。〜amazonより〜
騒ぎを起こして大手広告代理店をリストラされた主人公・佐倉涼平。
彼が再就職したのは、多くの食品を扱う珠川食品でした。しかし、そこでの
初めての会議でも問題を起こした彼が異動になったのは、「お客様相談室」。
リストラ要因収容所と呼ばれる「お客様相談室」で涼平が出会ったのは、
パソコンオタクの羽沢、体は大きいがストレスで失語症になってしまった神保、
遅刻魔でギャンブル大好きな篠崎(でも実はクレーム処理のプロ)。
最初は謝ってばかりの仕事に何も見出せなかった涼平ですが、彼らとともに
いろいろなクレームを処理していく中で珠川食品の実態が明らかになり、
「会社って何だろう」という問いにぶつかっていきます。
私は仕事でクレームの電話をとることもときどきあるので、共感できる部分も
たくさんありましたし、現実はこんなふうにうまくいかないだろうけど、でも、
何かしなくちゃっ、と思わせてくれる作品でした。
「制服のころ、君に恋した。」 折原みと
2008-05-02-Fri
![]() | 制服のころ、君に恋した。 (2006/12/19) 折原 みと 商品詳細を見る ![]() |
海が見える鎌倉の高校に養護教諭として赴任してきた奈帆・28歳。
高校時代に恋人を亡くした過去を持ち、目の前の新たな恋に踏み出せずに
いた。そんなある日、彼女に奇跡が…。110万人の少女が泣いた『時の輝き』
の著者・折原みとが贈る、今を一途に生きる大人の恋物語。〜amazonより〜
私も10代の頃、著者の『時の輝き』などの作品にはまっていたひとりで、
"小説も書くんだ〜"と思って借りてきた一冊でした。
ストーリーは、高校時代に大好きだったシンタが海の事故で死んでから、
恋に臆病になっていた主人公・奈帆が、ふたたび母校に養護教諭として
赴任してくるところから始まります。
懐かしい校舎、懐かしい風景を見ているうちに、高校時代のことを思い出す
奈帆。そんな彼女にある奇跡が訪れるのです・・・。
特に奈帆とシンタの高校時代のエピソードを読んでいるときに、胸がきゅんと
なりました。丁寧に丁寧に交際をしていくふたりがほほえましくて、どうかこの
ふたりに悲しい出来事なんて起きないでほしいと強く思ったのですが。。。
当時はわからなかったシンタの本当の気持ちが、奇跡的な出来事によって
徐々に明らかになります。そして同じ後悔はしたくないとある行動を起こす
奈帆。ファンタジーの要素が強いですが、純粋な恋愛小説としてさらりと
読める作品でした。
「Little DJ」 鬼塚忠
2008-04-14-Mon
![]() Little DJ―小さな恋の物語 | (2007/03) 鬼塚 忠 商品詳細を見る ![]() |
海を臨む病院に入院して、ディスクジョッキーになったチビで弱虫な少年。
彼の放送は、病院全体を明るくあたたかな空気で満たしていった。
だが、病状が悪化し…。小さなディスクジョッキーの初恋物語。
〜amazonより〜
ラジオと野球が大好きな少年・太郎は、ある日、野球の試合途中で突然倒れ、
そのまま入院生活を送ることになってしまいます。
痛みと退屈な生活の中、先生からある提案がありました。
院内放送のDJをしてみないか、と。
野球と同じくらい、もしかするとそれ以上にDJに興味があった太郎は、
不安や緊張もありつつ、DJをやってみることにしました。
すると、突如現れたリトルDJはすぐに病院内の評判になり、太郎が選んだ
曲を流すだけではなく、リクエストがくるようになっていきました。
太郎にとってDJをやることは生きる希望になります。
まさに"病は気から"で、夢や希望を強く持っていれば、それはとても大きな
力になるのだと思いました。
あっさりめの文章でさらさらと読めてしまいますが、それがかえって難病を
描いているのに押し付けがましくなくて良かったです。
この本は映画化されたそうなので、ぜひ太郎のDJっぷりを映像で
観てみたいと思いました。(太郎役は神木龍之介くんです
)
「イナカノコ」 おおたうに
2008-03-18-Tue
![]() | イナカノコ (2007/02) おおた うに 商品詳細を見る ![]() |
短大生・佐和の住む田舎町に、いとこの海里が帰ってきた。美しくも獰猛な
性格の彼女の帰郷に胸をざわめかせるのは、佐和だけではなかった。
母や兄、そして佐和の彼氏・草。人々の気持ちがすれ違うほど、
想いは切なく募り…。 〜amazonより〜
うにっきシリーズで知られるイラストレーター・おおたうにさんの初めての小説。
おおたうにさんの可愛らしいイラストは知っていたので、小説もオシャレで
乙女チックな感じなのかなぁと思っていたら、舞台はイナカで、
内容もなかなかどっしりとしたものでした。
海と山に近い田舎町に住む短大生・佐和。イナカで過ごすぬるい日常。
それを突き破るように、従姉の海里が休暇で帰ってくる知らせが入ります。
彼女は、美しい面立ちと獰猛な性格を持つ問題児。
相変わらず美しく、鋭い言葉を放つ彼女に、イナカの人々は様々な反応。
そして海里が東京に帰った後、佐和の恋人・草に変化が・・・。
詩のような手紙のような始まりで初めは読みづらいかもと思いましたが、
短めの文章と、繊細で切ない心理描写がいつのまにか心地良く
なっていきました。
イナカならではのしがらみや孤独。イナカを選ぶこと。イナカを出て行くこと。
そういうさまざまな想いや選択が響き合って物語は進んでいきます。
特に、イナカで穏やかだけど自己主張のない生き方をする佐和には共感
する部分が多かったですし、どんな生き方であっても喜び・哀しみ・孤独
というのはついてくるのだろうなと思いました。
「けもの道」 小川内初枝
2008-02-25-Mon
![]() | けもの道 (2004/10/25) 小川内 初枝 商品詳細を見る ![]() |
義理の兄妹でありながら長い恋人同士の多磨美と敏雄。
倦怠しつつも依存する二人に甦る過去。業の深さが日常になった関係を
印象深いラストと凝縮した描写で綴る表題作ほか1編を収録。
第18回太宰治賞受賞後、初の作品集。〜amazonより〜
表題作の「けもの道」は、義理の兄弟である多磨美と敏雄の物語。
ふたりは再婚した両親のそれぞれの連れ子として出会い、恋人関係に
なります。やがてそんな関係が両親にばれて、多磨美は家を出ることに
なるが、ふたりの関係は続き・・・というストーリー。
ストーリーだけをみると、生理的に受けつけない方もいるかもしれません。
私も得意なタイプの話ではありませんが、なぜかどろどろした感じは
しなかったんです。とても雰囲気のある作品でした。
"暗い・重たい"というよりは"静か・だるい"というか。。。
それに決してふたりの恋愛模様を描きたかったのではないと思うんです。
それよりも、普通に見える家族の裏側にも様々な影が在ることや、
腐れ縁や惰性は果たして愛情なのかということについて
考えさせられました。
「エブリ リトル シング」 大村あつし
2008-01-15-Tue
![]() | エブリ リトル シング (2007/05/07) 大村 あつし 商品詳細を見る ![]() |
不登校児を救った話としてインターネットを中心に話題沸騰の「クワガタと少年」。
あえて5本足のクワガタを買い求める少年の些細な行動が、夢や自分の
存在意義を見失った人々の人生と交錯し、物語は波紋のように広がっていく。
〜amazonより〜
インターネットで話題になっているとは全然知らずに、装丁の美しい感じと
Every Little Thing(アーティストの)が好きなので良いタイトルだなぁと思って
手にとりました。ちなみにEvery Little Thingとは、
"宇宙から見れば小さな存在であるあらゆるものたち"という意味なんだそう。
「クワガタと少年」・・・少年はなぜ5本足のクワガタを買おうと思ったのか
「ランチボックス」・・・貧乏に悩む女子中学生はなぜ救われたのか
「彼女はいつもハーティに」・・・バーのカウンター越しの恋は果たして実るのか
を含む6つのストーリーが収められています。
初めて読む作家さんで、読みやすい文章と巧みなストーリー展開が印象的
でした。どの物語にもぐっとくる言葉と"あ、この人どこかに出てきたな・・・"
という場面があって、最後まで楽しむことができました。
ちょっとクサすぎる台詞が海外の小説っぽい気もしましたけど。。
最後まで読んだ後に、もう1度最初の「クワガタと少年」を読みました。
そして、誰かの行動や台詞に救われることって日常生活にもたくさんあって、
そういうものに支えられて生きているんだなぁと思いました
「ラヴレター」 岩井俊二
2007-12-13-Thu
![]() | ラヴレター (角川文庫) (1998/03) 岩井 俊二 商品詳細を見る ![]() |
雪山で死んだフィアンセ・樹の三回忌に博子は、彼が中学時代に住んでいた
小樽に手紙を出す。天国の彼から?今は国道になっているはずのその住所から
返事がきたことから、奇妙な文通がはじまった。〜amazonより〜
主人公・博子は雪山で死んだ恋人・藤井樹の中学時代の卒業アルバムから
当時彼が住んでいた住所を知り、今はもう国道の下になり存在しないその住所
へと手紙を出します。
「拝啓、藤井樹様。 お元気ですか?私は元気です」
すると、届くことのないはずの手紙に返事が、、、
「拝啓、渡辺博子様。 私も元気です。でもちょっと風邪気味です」
これが、奇妙な文通の始まりでした。
同姓同名が引き起こしたこの文通を中心としたストーリー。
舞台が雪の降る北海道というのがとても良かったです。人のぬくもりがより
伝わるんです。博子と現在の恋人・秋葉との関係、樹(女性の)と家族の関係、
それぞれに優しさが溢れていて、過去を思い出すことが、つらいだけじゃなくて
温かいものだということを感じました。
この本は岩井俊二監督の映画「ラブレター」の小説版なんですが、この映画、
とても好きで3回観ています。画面に広がる雪景色と中山美穂さんの
繊細な雰囲気が魅力で、映画を観てから本を読むことをおすすめします。











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