読書日和読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。 |
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「ふじこさん」 大島真寿美
2008-05-03-Sat
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離婚寸前の父と母にはさまれ、何も楽しいことのない毎日を送るリサの前に
現れたふじこさんは、乱暴できれいで、あっけらかんとしていて、
今まで見たことのない、へんな大人だった…。(「ふじこさん」)
幻のデビュー作を含む、著者会心の短編集。〜amazonより〜
別居中の父親のマンションへ行って父の新しい恋人・ふじこさんに出会う
「ふじこさん」、ある日出会ったお婆ちゃんに遺影用の写真撮影を頼まれる
「夕暮れカメラ」、マジシャンの後をついていってしまう「春の手品師」の
3編を収録。
どれも主人公の少女は、皆、疲れていて沈んでいます。
それが、家族ではない大人に出会うことで、それぞれの答えを見つけたり
癒されたりする物語です。
1番好きだったのは、やはり表題作の「ふじこさん」。家にも学校にも居場所の
ないリサは、希望の持てない毎日を送っていました。そんなリサがふと訪れた
父のマンションで、父親の新しい恋人・ふじこさんに出会います。
"生まれてから関わってきた人たちがすべて"というのはたぶん誰もが持つ
価値観で、でも、世界は広くていろんな人がいるということをリサに
教えてくれたのがふじこさんでした。
ふじこさんの、自分をを子供扱いしないところや、夢を追いかけているところに
惹かれるリサ。子どものころに、ふとしたときに思い出して元気をもらえるような
出会いがあるってとても幸せなことだなと思いました。ラストも素敵
「虹色天気雨」 大島真寿美
2008-02-28-Thu
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ある日突然、幼なじみの奈津の夫・憲吾が姿を消した。
市子は、夫捜しに奔走する奈津から一人娘の美月を預かる。
女性の影もちらつく憲吾の失踪だったが、市子も、まりも、三宅ちゃんも、
究さんも、土方さんも、いつもと変わらず、美月の運動会に集まった。
事態はやがて、市子の元恋人も登場して意外な展開を迎える。〜amazonより〜
主人公の市子は離婚した後ずっと独り暮らし。近所に住む幼なじみの奈津は
結婚して美月という小学生の女の子に恵まれているが、夫が突然行方知れずに。
まりには旭というカメラマンの恋人がいるものの、あまりうまくいってはいない様子。
この3人の友情が中心に話は進んでいきます。
ただ友情といっても、それぞれが仕事をして、恋もして、傷ついてもその直し方も
知っている年齢であるため、 決して直接「頑張れ」なんて言わない、ほどよい
距離感を保ちつつ心配したりおせっかいをやいたりする関係が素敵

ありふれた日常の生活を書き綴ったような雰囲気と、奈津の夫を探す過程で
つながる人間関係のようなちょっとした非日常とのバランスがうまいですし、
奈津の娘・美月が母親の友だちに囲まれて、ちょっと大人びているけれど
すくすくと育っていく感じも良かったです。
特に、美月の運動会に市子やまりをはじめとした友人たちが集まって、応援
なんてそっちのけで盛り上がるシーンが印象的でした。
シビアな状況だけどほんわか、そんな大島さんらしさの詰まった作品でした。。
「ぼくらのバス」 大島真寿美
2008-02-20-Wed
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暇を持て余していた小学五年生の加納圭太は、弟の広太を誘い、昔通った
「バスの図書館」へ行ってみる。管理人のおじいさんが亡くなって以来
使われずにいたそこは、かつての面影を失い荒れ果てていた--。
少年たちの成長が瑞々しく描かれた、ひと夏の青春ストーリー。
〜amazonより〜
主人公は小学5年生の圭太。ある夏の日、圭太は弟の広太とともに
昔通った「バスの図書館」に行くことを思いつきます。
しかしそこは、床も本もほこりまみれで当時の輝きを失っていました。
呆然とするふたりでしたが、床の雑巾がけに、窓拭き、本棚の整理・・・と、
力を合わせてバスをきれいにしてゆきます。
それから、毛布やオセロ、お菓子などを持ち込んで、そこは徐々に
ふたりの"秘密基地"になっていきました


近所なんだけど自分たちしか知らない場所。もちろん両親には内緒。。
こういう場所って、誰にでもあったんだろうなーと思いました。
私にとっては、近所の空き家です。な、懐かしい☆
ナゾの中学生・順平との出会いやおばあさんとの再会などを通して、
ひと夏が過ぎてみたらちょっぴり成長していた圭太と広太。
でもそれらは偶然なんかじゃなくて、バスの図書館やおじいさんとの
思い出を、それぞれが大切に抱き続けていたからだと思います。
なんだかとてもピュアな気持ちになれる一冊でした。
「かなしみの場所」 大島真寿美
2008-02-10-Sun
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私はほんの子供だった頃、誘拐されたことがあるらしい―。
雑貨をつくりながら静かな生活をおくる果那と、彼女をとりまく人々。
それぞれの人生を描きながら、ゆっくりと居場所を探していく、魂の物語。
〜amazonより〜
離婚して実家に戻り、雑貨を作りながら梅屋に卸すという静かな日々を送る
主人公の果那。ある理由により自宅ではなかなか眠れなくなくなってしまった
果那でしたが、なぜか梅屋の奥の小部屋では熟睡することができます。
果那の心に潜むもやもやは、幼い頃に起きた誘拐事件。
そして、自分を誘拐した「天使のおじさん」のこと。
しかし、両親や叔母はその事件に関して語りたがらず。。。
物語は、現在の果那の生活が淡々と描かれつつ、過去が少しずつ
紐解かれていきます。
特に大きなできごとが起こるわけでなく、それがかえって大島真寿美さん
の書くさらさらとして透明感のある文章を引き立てています。
果那が持つやわらかい雰囲気が良かったです。梅屋で働くしっかり者の
みなみちゃんとの関係もステキで、果那をとりまくさまざまな人や想いが
果那の居場所を作っているように思えました。"かなしみの場所"を
持っているからこそ人は優しくなれるのかもしれません








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