読書日和読んだ本のこと。ときどき、邦画の感想とブログライターの記事も。 |
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「落下する夕方」 江國香織
2007-12-20-Thu
![]() | 落下する夕方 (角川文庫) (1999/06) 江國 香織 商品詳細を見る ![]() |
愛しきれない、憎みきれない。
押しかけてきたおかしな女の魅力にとりつかれ始める、亡霊のような私―。
死、癒し、永遠の日常を清新なまなざしで追う、恋愛小説。〜amazonより〜
梨果はある日突然、4年間一緒に暮らした恋人・健吾に別れを告げられます。
華子という女に一目惚れしたという健吾が引っ越して行った後に、
なぜかその華子が押しかけてきて3人の微妙な生活が始まります。
長く付き合った恋人から別れを告げられたとき、泣いたり喚いたりすることだって
できるのに、梨果は”健吾の苦しそうな顔を見たくない”という理由でそれを
受け入れます。勿論すぐに受け入れたわけではありませんが、それまで通りの
生活を続けたり、たまに健吾にイジワルな言葉をぶつけてみたりする
あたりがとても人間らしくて、梨果というキャラクターが私はとても好きでした。
その反面、華子はとらえどころのない女性です。
何事にも執着せず、生活の匂いすら感じられません。自由気ままに生きていて、
健吾のほかにも男性の影がちらつく華子。なのに全然幸せそうに見えない華子。
梨果が華子のそんな不思議な魅力にとりつかれていく様子がとても丁寧に
描かれていました。
この作品は映画化されていて、そのキャスティングが原作のイメージにぴったり
なんです☆(リカ:原田知世さん 華子:菅野美穂さん 健吾:渡部篤郎さん)
「冷静と情熱のあいだ」 江國香織
2007-09-07-Fri
![]() | 冷静と情熱のあいだ Rosso(ロッソ) (1999/10) 江國 香織 商品詳細を見る ![]() |
純粋で切ない珠玉のラブストーリー!
2000年5月25日ミラノのドゥオモで再会を約したかつての恋人たち。
江國香織、辻仁成が同じ物語をそれぞれ女の視点、男の視点で描く甘く切ない
恋愛小説。〜amazonより〜
主人公・あおいは、現在ミラノ在住。アメリカ人の優しい恋人・マーヴと
同棲しており、何の不満もない生活に見えますが、ふとした瞬間に
思い出す人がいます。その人は、昔の恋人・順正。
あおいは過去を思い出さないように、現在の日々を漂うように過ごしている印象で、
それが読んでいて切なかったです。
10年経っても忘れられない恋は、美しいけれど哀しいのではないかと思いました。
順正を主人公にして書いたのが、辻仁成さんの「冷静と情熱のあいだ-Blu」。
私はたまたまRossoを先に読みましたが、交互に読むなんていうのも
いいかもしれません☆
「流しのしたの骨」 江國香織
2007-08-30-Thu
![]() | 流しのしたの骨 (新潮文庫) (1999/09) 江國 香織 商品詳細を見る ![]() |
たとえお隣でも、よそのうちは外国より遠い。違う空気が流れている。
怪談のきしみ方も、薬箱の中身も、よく口にする冗談も、タブーも、思い出も。
19歳の「私」と、不思議な家族たちの物語。〜amazonより〜
宮坂家は、父と母、長女そよちゃん、次女しま子ちゃん、三女こと子ちゃん、
長男であり"小さな弟"である律の6人家族。この家族が過ごした晩秋から
春までの生活が、こと子の視点で淡々と語られます。
江國さんがあとがきで「よそのうちのなかをみるのはおもしろい」と
書いているように、宮坂家の日常をのぞきみているような感覚になります。
宮坂家の日常はかなり非日常的ですが、それが宮坂家らしさでもあります。
同じ家で生まれて育ってきたのに考え方や生き方が全然違う姉妹や、
家族にしかわからないことと家族だからこそわからないことが不思議で、
私は「家族」について書かれた本がやっぱり好きだなぁと思わされました。
「号泣する準備はできていた」 江國香織
2007-06-26-Tue
![]() | 号泣する準備はできていた (2003/11/19) 江國 香織 商品詳細を見る ![]() |
体も心も満ち足りていた激しい恋に突然訪れた破局、その絶望も乗り越えてゆく
よすがを甘美に伝える表題作、等12篇。
濃密な江國香織の世界に浸れる待望の短篇集。 〜amazonより〜
江國さん自身があとがきで書いているように、「様々なお菓子の詰め合わされた
箱のようなものではなく、ひと袋のドロップのように、色や味は違っていても成分は
おなじで、大きさもまるさもだいたいおなじ」ような話がつまった短編集です。
どのお話も『号泣する準備』をしているような状況にある女性が主人公です。
なにかを所有するということは、喪失するための準備をしているのだと
言われているような気がして切なくなりましたが、喪失するためには確かに
それがそこにあったという充実した実感があるはずという希望も残りました。
江國さんは、ごく普通に見える日常を切り取っているのに、
その中でふと感じる違和感や喪失感を書くのがうまい作家さん。。
私が好きだったのは、満ち足りていたはずの恋に少しずつ影が差す様を描いた
「号泣する準備はできていた」、妻のある男性との濃密な関係がずれはじめる
一夜を綴った「そこなう」、17歳のときの不器用なデートの思い出を振り返る
「じゃこじゃこのビスケット」です。
「きらきらひかる」 江國香織
2007-06-01-Fri
江國さんの作品は、人物や設定が少々非現実的であっても、私たちにとって
とても身近なことを書いています。
そして、身近な物語が魅力的な小説になるということは、私たちの日々も
実はドラマチックなのではないかと思えてしまうのです☆
私たちは十日前に結婚した。しかし、その結婚について説明するのはおそろしく
やっかいである。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。
そんな二人は全てを許し合って結婚した、筈だったのだが…。
奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは。
傷つき傷つけられながらも、愛することを止められない人に贈る恋愛小説。
〜amazonより〜
アル中の妻とホモの夫という設定だけ聞くと、なんだかものすごい奇抜な内容
のような気がしてしまいますが、びっくりするくらい純粋な恋愛小説なんです。
特に笑子が睦月に対して感じる気持ちというのは、屈折しているようで、
恋する少女そのものでした。
すべてを許し合って結婚したはずのふたりでしたが、このまま何も変わらないで
いたいという願いを周囲が許すはずもなく、徐々に追い詰められていきます。
お互いを大切に思っているだけではダメなの・・・?と、つい考えてしまいました。
妻と夫が交互に語り手になるのでふたりともに感情移入できて、
だからこそ苦しくなります。でもただ苦しいのではなく、その中にある優しさを
書くのがうまいなぁと思いました。
笑子も睦月も、相手を大切に思うからこそ孤独を感じます。
これって、人を好きになると必ずついてくる感情のような気がしました。
だから、それでも自分に素直に生きようとする彼らを応援せずにはいられません。
とても身近なことを書いています。
そして、身近な物語が魅力的な小説になるということは、私たちの日々も
実はドラマチックなのではないかと思えてしまうのです☆
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私たちは十日前に結婚した。しかし、その結婚について説明するのはおそろしく
やっかいである。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。
そんな二人は全てを許し合って結婚した、筈だったのだが…。
奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは。
傷つき傷つけられながらも、愛することを止められない人に贈る恋愛小説。
〜amazonより〜
アル中の妻とホモの夫という設定だけ聞くと、なんだかものすごい奇抜な内容
のような気がしてしまいますが、びっくりするくらい純粋な恋愛小説なんです。
特に笑子が睦月に対して感じる気持ちというのは、屈折しているようで、
恋する少女そのものでした。
すべてを許し合って結婚したはずのふたりでしたが、このまま何も変わらないで
いたいという願いを周囲が許すはずもなく、徐々に追い詰められていきます。
お互いを大切に思っているだけではダメなの・・・?と、つい考えてしまいました。
妻と夫が交互に語り手になるのでふたりともに感情移入できて、
だからこそ苦しくなります。でもただ苦しいのではなく、その中にある優しさを
書くのがうまいなぁと思いました。
笑子も睦月も、相手を大切に思うからこそ孤独を感じます。
これって、人を好きになると必ずついてくる感情のような気がしました。
だから、それでも自分に素直に生きようとする彼らを応援せずにはいられません。
「間宮兄弟」 江國香織
2007-05-31-Thu
江國香織さんの本で、男性兄弟が主人公って珍しい気がしました。
私にも姉がいるので、久しぶりに姉と語り合いたいなぁと思いました
間宮兄弟を見てごらんよ。いまだに一緒に遊んでるじゃん。
「そもそも範疇外、ありえない」男たちをめぐる、江国香織の恋愛小説。
〜amazonより〜
兄・明信、35歳、酒造メーカー勤務。弟・徹信、32歳、学校職員。
いい歳になっても仲良く同居生活を続けている間宮兄弟。
実際にこんな兄弟がいたらちょっと・・・と思うような仲の良さとオタクっぷりですが、
ふたりが誠実で純粋なので、キモチワルイではなくカワイラシイと思えてしまうんです。
女性に全然もてないふたりは、恋人をつくろうと、徹信の同僚・依子とビデオ屋の
店員・直美を誘って家でカレーパーティーを開きます。
その後、徹信は、明信の同僚の妻・沙織に心惹かれてふられたり、直美の妹・
夕美が徹信に興味を持ったり、ふたりの周りにはいろんな女性が登場します。
依子や直美は、間宮兄弟に「好意」というよりは「興味」があるようだったし、
人のいい兄弟とは本来無縁のトラブルに巻き込む人たちがいたり、
間宮兄弟の穏やかで平和な日々はかき乱されます。
が、どんなことがあっても、ふたりは変わりません。
自分の世界を大切にし、ささやかな幸せをちゃんと幸せだと思える。
ふたりは何も変わらないのに、周りの女性たちがみんな変わっていくのが
このお話の良いところでもあり切ないところでもあると思いました。
私にも姉がいるので、久しぶりに姉と語り合いたいなぁと思いました

![]() | 間宮兄弟 (2004/09/29) 江國 香織 商品詳細を見る ![]() |
間宮兄弟を見てごらんよ。いまだに一緒に遊んでるじゃん。
「そもそも範疇外、ありえない」男たちをめぐる、江国香織の恋愛小説。
〜amazonより〜
兄・明信、35歳、酒造メーカー勤務。弟・徹信、32歳、学校職員。
いい歳になっても仲良く同居生活を続けている間宮兄弟。
実際にこんな兄弟がいたらちょっと・・・と思うような仲の良さとオタクっぷりですが、
ふたりが誠実で純粋なので、キモチワルイではなくカワイラシイと思えてしまうんです。
女性に全然もてないふたりは、恋人をつくろうと、徹信の同僚・依子とビデオ屋の
店員・直美を誘って家でカレーパーティーを開きます。
その後、徹信は、明信の同僚の妻・沙織に心惹かれてふられたり、直美の妹・
夕美が徹信に興味を持ったり、ふたりの周りにはいろんな女性が登場します。
依子や直美は、間宮兄弟に「好意」というよりは「興味」があるようだったし、
人のいい兄弟とは本来無縁のトラブルに巻き込む人たちがいたり、
間宮兄弟の穏やかで平和な日々はかき乱されます。
が、どんなことがあっても、ふたりは変わりません。
自分の世界を大切にし、ささやかな幸せをちゃんと幸せだと思える。
ふたりは何も変わらないのに、周りの女性たちがみんな変わっていくのが
このお話の良いところでもあり切ないところでもあると思いました。








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